北極海航路とは?開通のメリット・デメリットや日本への影響について徹底解説!

地政学

世界中で解決すべきとされている地球温暖化。地球の気温が上昇することで、自然災害リスクの高まりや生態系への悪影響が懸念されています。

一方、地球温暖化がもたらす人間への好影響もいくつか提唱されており、その中の一つとして北極海航路の開通が挙げられています。

今回は、北極海航路の概要や開通のメリット・デメリット、そして日本への影響を解説します。

こんな方におすすめ

☑️北極海航路とは何かを知りたい!
☑️北極海航路の開通が自分たちの生活にどう影響するのかを知りたい!

そもそも北極海航路とは?

出典元:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/
ocean_policy/content/001402278.pdf

北極海航路とは、上図の赤字のように北極海経由で結ぶ航路のことを言います。

北極はご存じの通り極寒のエリアで、北極海は一年中のほとんどを氷で覆われています。そのため、長らく航路としての利用が模索されていたものの、実現にはほとんど至っていませんでした。

しかしながら、近年の地球温暖化の影響で北極海の氷が急速に減少していることを背景に、航路としての潜在的な利用価値が見直されているのです。

北極海航路は、現在最も一般的なスエズ運河を経由する航路(以降「南回り航路」と表記)と比較してどんなメリットやデメリットがあるのでしょう?

次章で詳しく解説します。

北極海航路のメリット

1.物資の輸送時間を短縮できる

一般市民が最も感じられるメリットとして輸送時間の短縮が挙げられます。

日本の横浜港からドイツのハンブルグ港間の場合、南回り航路が約21,000キロメートルであるのに対し、北極海航路では約13,000万キロメートルとなるため、航行距離を約6割削減できます。

距離が短くなるため、輸送時間も短くなることが予想されるでしょう。

2.海賊リスクが低い

南回り航路の途中にあるマラッカ海峡やソマリア沖は海賊が多発するエリアとして知られており、物資や船員が被害に合うリスクがあります。

一方、現時点においては北極海航路上に海賊がいるエリアはほとんどないため、比較的安全に航行できるでしょう。

3.交通の要衝(チョークポイント)のトラブルに強い

海上には、交通の要衝(チョークポイント)と呼ばれる船舶の往来が激しい海峡や運河がいくつか存在します。

過去にはチョークポイントとして知られるスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、多くの船が約1週間も足止めされる事態が起きました。

北極海航路は、こうしたチョークポイントでのトラブルによる影響を比較的受けにくいとされています。

北極海航路のデメリット

1.航行の見通しが立てにくい

北極海の地理的・気象的な情報はまだまだ不足しており、航行への影響要因の整理や安全なルートの検証が追い付いていない状況です。

そのため、不測の事態により予想どおりの航行ができないことが予想されます。

2.専用船の運用費や航行料などコストがかかる

極寒や海氷など厳しい環境にも対応できる頑丈な専用船や豊富な知識を有する優秀な船員が必要となるでしょう。

また北極海はロシア・アメリカ・カナダ・グリーンランド(デンマーク)・ノルウェーの5か国に囲まれており、ロシアは現状既に航行時の申請を義務付けています。

今後は申請に加えて、これら5か国からの航行料徴収がはじまる可能性があります。

このような背景から、航行距離は縮むものの、トータルの費用としては南回り航路と大きく変わらないとの見方もあります。

北極海航路の現在の航行状況

出典元:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/
ocean_policy/content/001402278.pdf

北極海航路における国際間貨物輸送数は、2015年から2019年にかけて3倍以上に増加していることが国土交通省から発表されています。

また国土交通省北海道開発局の発表によると、北極海航路の航行数は2019年で87だったにもかかわらず、翌2020年には133に大幅増加しています。

今後も北極海航路を利用する流れは拡大していくでしょう。

日本への影響

中国や韓国などが北極海航路を利用する場合、上図のように日本列島の隙間を縫うような航行が必要です。

特に北海道は、どの航路でも必ず通過するエリアとなります。

そのため、北海道を中心に、日本全体が北極海航路の拠点としての価値を高め、日本に経済的なメリットをもたらす可能性があります。

しかし各国の思惑に鑑みると、これを一口に良いと言えるかは分かりません。

ロシアの思惑

ロシアも北海道の重要性を認識しており、北方領土の色丹島に経済特区を設置して北極海航路の拠点化を進めています。

これにより、日本への領土返還はより遠のいてしまうでしょう。

中国の思惑

中国は自らを北極近接国家と位置付け、一帯一路政策の重要拠点として北海道を挙げています。

それにあたり、北海道での銀聯(ユニオンペイ)カードの普及や孔子学院の開設、土地の大量購入など、北海道への影響力を拡大しています。

中国の過度な進出により、最悪の場合、北海道が日本の領土ではなくなる可能性があります。

まとめ

今回は、近年注目を集めている北極海航路の概要や日本への影響までを解説しました。

北極海航路の開通にはメリットがたくさんある一方、航行時の課題や日本への悪影響など解決すべき事項があることをお伝えできたかと思います。

いずれにしても、この新たな航路がもたらす影響を今後も注視していく必要があるでしょう。

参考文献

国土交通省:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/ocean_policy/content/001402278.pdf
国土交通省:https://www.mlit.go.jp/common/001043213.pdf
国土交通省北海道:https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kk/kou_kei/ud49g70000000slz-att/slo5pa0000004kv3.pdf
NHK:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210412/k10012969561000.html
日本経済新聞:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/northern-sea-route/
エネフロ:https://ene-fro.com/article/ef206_a1/
社會部部長:https://www.youtube.com/watch?v=U1LDjKNN-go
ビジネス教養 地政学 (サクッとわかるビジネス教養):https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784405120099

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